海外ミステリーを時々読む。
特に好きな作家がいるわけではないので(外国人の名前がなかなか覚えられない)、いつも本屋で行き当たりばったりで気になったタイトルやあらすじ、帯のコピーにつられて買ってしまいます。そんな適当なノリで買うから、家に帰ってもすぐに読み始めるわけでもなく、しばらく積みっぱなしになります。これは海外作家に限った話ではないですが。そもそも常に何かしらの本が読みかけなのと、次に読まないといけない本がどんどん溜まっていく一方なので、その順番を割って入るほどの魅力的な本に出合うことも少ないですし。
『そしてミランダを殺す』も購入してからしばらくは他の本たちと一緒に山積みにされていました。衝撃的なタイトルと帯の絶賛コメントに惹かれて買ったのですが、いつものように手に入れた時点である程度の満足感を得てしまいました。
ひとつの本を読み終わると、当然次に読む本を決めるのですが、そういう時は前の本とはジャンルや作風が違うものを選ぶことにしています。わざとそうしているわけではなく、なんとなく同じようなジャンルを続けて読まない癖がついてしまっています。
ミステリの次はSF。SFの次はコメディ、いやもう一回ミステリといった具合に。これって読書する人はみんなそういう癖なんですか?
その時はたまたまミステリを読もうかと思い、1か月前くらいに買ったこの本を手に取りました。
ミステリや推理小説を読むときに、犯人やトリック、物語の結末(オチ)を予想しながら読み進める人っていると思うんですけど、僕はあまりそういう読み方をしないんですね。できないというか。まず疲れるし、そんなに頭がよくないので考えたところでどうせ何もわからないという諦めもあります。なので、そういった小説を読むときはいつもトリックや犯人が判明するときは驚き、感心します。純粋に作者に騙されてます。
だから本を選ぶ時も、「最後の1行でまさかのドンデン返しが!」とか「あなたはこの結末を予想できるか?」といった宣伝文句には弱いです。「やられた~」という感激が欲しいんです。
この『そしてミランダを殺す』も物語の途中途中で、「えっ、そんな展開になるの」とか「うわっ、お前が」といった風に楽しめました。
簡単なあらすじを書くと、金持ちのテッドが空港のバーで偶然リリーという美女に出合います。妻ミランダの浮気を知ってしまった彼は、酒に酔った勢いでリリーにミランダを殺したいと本音を漏らします。そこでリリーがまさかの殺人の協力を申し出ます。それ以降二人はミランダ殺害計画を練っていくのですが…。
この小説は第1部から3部までの3章で構成されているのですが、まず1部の終わりから2部の始めで驚かされました。1部の終盤まではそこまで夢中に読んでいなかったのですが、そこからもう続きが気になって一気に読む速度が上がりました。
それと物語は登場人物4人のモノローグで進むのですが、その人物についても「へええ」って感じでした。
ラストも好きな終わり方ですね。でも「そりゃそうなることもあるよな」とも思いましたが、こういうのってミステリとかを大量に読んでいる人とかは途中で気づくものなんでしょうかね。
本を読むのは好きですが、魅力を伝えることはあまりしたことがないのでこの本に興味を持っていただけたかわかりませんが、海外ミステリ好きな人もそうでない方もぜひ読んでみてください。