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素直にカッコいいと言えない?MUDHONEY『Superfuzz Bigmuff』

僕が最も好きなバンドはニルヴァーナです。

90年代の大半をティーンエイジャーで過ごしたロック好きにとって、ニルヴァーナは避けては通れない存在ではないでしょうか?90年代前半に起きたグランジ・ムーブメントの象徴ともいえるバンドですし、なにより売れましたからね。当時、あまり洋楽ロックを聴かない知り合いでもニルヴァーナの曲を知っている人はそれなりにいました。

Voのカート・コバーンの歌声に限らず、パフォーマンスや出で立ち、全てが格好よくて、いまだに僕の中のアイドルです。彼に憧れて初めて買ったギターはフェンダージャパンのムスタングでした。下手ながらニルヴァーナのコピー曲を大学の文化祭で披露したのは、思い返してみると赤面ものですがいい思い出です。

ご存じの方も多いでしょうが、カート・コバーンの自殺によりバンドは唐突に終わりを迎えます。この時期からグランジブームは一気に収束していきます。グランジの象徴だったカートの死がそのままグランジの終焉となりました。

もちろん全てのグランジバンド(と呼ばれていたバンド)が消えていったわけではなく、良いバンドは活動を続け、現在も人気のバンドはあります。解散したあとでも再結成したバンドなんかもありますよね。

ただ、僕の中ではグランジバンドの代表ってニルヴァーナではないんです。

● グランジの音楽的な最大の特徴は、パンク・ロックのような簡素で性急なビートと、ハード・ロックのようなリフ主体の楽曲構造とが融合されていることである。また、いわゆる「静と動」のディストーションギターのサウンドも語られる。 (Wikipediaより)

上記の内容にニルヴァーナの楽曲はバリバリに当てはまるのですが、僕の中のグランジバンドって、あまり洗練されていない感じなんです。

ニルヴァーナってやっぱりヴォーカルのメロディがキャッチーだし、ギターリフやドラムもシンプルで力強い。ギターの音はノイジーで、ヴォーカルが激しく叫んでいても聴きやすいと思います。

特に定義づけている訳ではないのですが、グランジってもっとガサツで汚らしい雰囲気がしっくりくる気がしませんか?

NIRVANAの先輩バンド、MUDHONEY

マッドハニーの『Superfuzz Bigmuff』というアルバムを紹介したいと思います。

この作品は厳密にはアルバムではなく、正確な作品名は『 Superfuzz Bigmuff Plus Early Singles』というもので、彼らのデビューEPにいくつかの曲を加えた再編集盤です。ただもう僕の中では彼らのデビューアルバムという意識です。僕以外にもそう捉えている方は多いんじゃないですかね。ちなみに僕が所有しているCDは、バンド結成20周年記念にリリースされたデラックス・エディションです。当時のものと収録曲が異なりますが、今回はEarly Singles版で話を進めていきます。

とにかくこのアルバム(もうアルバムと呼んじゃいます)は、1曲目の「Touch Me I’m Sick」の衝撃が忘れられないです。歪ませて音の粒が潰れまくったギターのイントロから始まり、Voのマーク・アームのシャウトに度肝を抜かれ、サビ前の ” Touch Me I’m Sick!”というインパクトのある歌詞。一聴して気に入りました。

先ほど述べたニルヴァーナのようなPOPな感じではないんだけれども、なんか口ずさみやすいメロディーとギターリフ。ただどこかカッコよさよりもダサさを感じるんですよね。ダサカッコいいというか。なんなんでしょうかね、これは。もしもマッドハニーにダサさを全く感じず、カッコいいとしか思えないという方がいらっしゃったら謝ります。見解の相違ということでお願いします。まあそんな人は少ないでしょうけど。

1曲目からラストまでノンストップで聴いてしまえばいいんですけど、僕のオススメ曲を少しご紹介。

「You Got It(Keep It Outta My Face)」なんかは、これぞマッドハニーといったひねくれたギターリフが印象的で、ヴォーカルもなんだか脱力感のある歌い方です。でもなぜかそれらのメロディーやリフが頭から離れてくれない変な中毒性がある曲です。僕がマッドハニーをダサカッコいいと言う理由がわかる楽曲なのでは。

「Hate The Police」や「Burn It Clean」は疾走感のあるパンキッシュな曲。この2曲なんかは グランジとか関係なく、ダサカッコいいというより普通にカッコいい曲です。でもマーク・アーム独特の歌声が、マッドハニーのカラーを打ち出していて、一癖ありますね。特に 「Hate The Police」 の終盤にマークが、「マ~ミ~!マ~ミ~~!」から絶叫していくパートは、グランジ史上トップクラスのシャウトだと思います。カート・コバーン、エディ・ヴェダー、レイン・ステイリー、クリス・コーネルなどなどグランジバンドのヴォーカリストはロックの歴史の中でも語り継がれる素晴らしい人物ばかりです。マーク・アームも彼らに匹敵するヴォーカリストなんじゃないでしょうかね。

そしてこのアルバムの最大の見せ場は「In “N” Out Of Grace」で決まりでしょう!映画「WILD ANGELS」のピーター・フォンダの台詞から始まるこの曲は、イントロからギター、ベース、ドラムが弾けまくっていて、中盤のドラムとベースの間奏からの2本のギターソロで最高潮に達します。僕は一度だけ彼らのライブを観たことがありますが、この曲は本当にライブ向きというか、マッドハニーがライブバンドなんだと改めて認識させてくれる曲ですよ。あの時のマーク・アームがカッコ良かったな~。CDもいいんですけど、LIVE動画もオススメですよ~。

なんだかんだグランジムーブメントが終わっても、いまだに活動を続けている彼ら。日本ではともかく、本国アメリカでは支持されているんでしょう。人気やCDの売り上げの問題で解散したり、メンバーの死去で活動を終了せざるを得なかったグランジ/オルタナバンドが多い中、このまま突っ走って行ってほしいです。

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